CASE 24 賃貸管理トラブル事情『クレーム対応は賃借人の心のケアが命』


秘訣編 ケース24

◎キーワード:「賃借人のストレス度を和らげる事がトラブル防止の秘訣!」

まず、賃貸不動産はなぜ価値があるのか・・・・・?
それは・・・・・「キャッシュ・フロー」を生むからです・・・・・。
「キャッシュ・フロー」には・・・・・
① 売却して得る「キャッシュ・フロー」
② 貸して得る「キャッシュ・フロー」
③ 金融機関に担保に入れて得る「キャッシュ・フロー」
・・・・・があります。
いずれのケースでも、所有者はそれが最大になる方法を選択することになります。それが『経営』です。賃貸物件として収益を上げているのであれば、②のキャッシュ・フローを最大にすることを考えなければなりません。裏返して言い換えれば、「キャッシュ・フロー」を生まないモノ(賃貸不動産)は価値無しということだと思います。この②の「キャッシュ・フロー」について重要になってくるのが「賃借人」の存在です。

最近は消費者の権利意識が強くなってきたことを痛感しています。物件探しの段階では
“賃料の交渉が出来ますか???”
“礼金ゼロ、敷金ゼロが希望です!”
“フリーレント1ヶ月にして下さい!!”
から始まります。
「モノ言う消費者」と化した入居者は、契約後は入居当初からケンカ腰?で“自分は客なんだからすぐに何とかしろ!”・・・・と消費者の権利意識が高まったことに伴ってのトラブル(クレーム)も増えてきました。主張する内容は少しヘンだよなぁ?と思える賃借人からのクレームでも出来る限り早く対応する、まずは話しを聞いてあげる・・・、こんな当たり前のことが実はとても重要です。ここの一次対応(スタートライン)を間違うと全ての流れが「悪循環スパイラル」に陥りかねないのです。


例えば、故障等の時は素早く決断して対応してあげることが絶対です。これが、賃借人の使用方法の問題での設備不良の場合であったとしても(費用負担が誰であっても)即「対応」です。
費用負担については私達管理会社の担当者が公平なジャッジをすることになりますが、時間が全て…時間が命なのです。よくあるケースですが、管理会社の担当者が見に行った後に、オーナー様がまた現地に行って確認するということがあります。賃借人の気持ちとしては、何で何度も部屋の中に他人を入れなきゃならないの…何でオーナー迄来るの…私も仕事をしているのに…わざわざ時間を作っているのに…『私達のことを何も考えてないじゃない!!!モード』になることもあるのです。オーナー様の気持ちとしては、そのクレームに一生懸命対応しようという気持ちもあるでしょうし、出来るだけコストがかからない方法を考えたいなどいろいろな気持ちで現場に足を運ぶのでしょう。でもそれが結果的に対応時間が遅れる事も含めて「賃借人の気持ちを逆撫でする」事につながってしまうのです。賃借人の貴重な時間や設備不良による不具合の気持ちなどを気付くこともせずに、それでいて自分が動くことで満足をしてコスト削減のことのみが頭にあるということは、長い眼で見た場合、間違いなくオーナー様と賃借人の間の良好な関係のバランスが崩れる引き金となってきます。賃借人も“いい加減にしろ!●〜*”とはさすがにオーナー様には言えず、私達にその気持ちをぶつけて来るのですが、私達もただただなだめることしか出来ません。こういったストレスの積み重ねが、次々にトラブルの連鎖反応になってくるのです。そしてこれが、やがてはお金を払ってくれなくなります。(早期解約・退出に繋がり、また原状回復工事の費用負担でも大いに揉める原因にもなってしまうのです。)結果的に、冒頭にある②の貸して得る「キャッシュ・フロー」に悪影響が出てくることになる訳です。

オーナー業として当社にいろいろ注文を付けることは良い事ですが、直接賃借人にそれが見えてはいけないのです。とにかく「お金を払ってくれる賃借人」を怒らせない事が最優先。まずは第三者がしっかりと話を聞いてあげることなのです。勿論、クレーマーのような不当な主張には『ハートフルレント』は断固として立ち向かいます。「即対応」で話を聞いた上で「冷静な総合判断」が重要なのです。

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