CASE 15 無断転貸 バレばれの賃借人…。

業務実例 ケース15
ビルオーナー様からの相談。ナンカ変なんだよ…2階のテナントが…。
◎キーワード:「賃貸借契約に基づくテナントがいない。無断転貸は許さない!

★背景・状況
当社では居住用の賃貸物件の他 店舗・オフィス等の管理受託物件があります。
これは都内中心部にある、いわゆるテナントビルでのお話。この地上9階建のビルは1階・2階が飲食店、3階から上階は全て事務所になっています。
このビルは法人S社の所有です。この法人S社から、当社がビル全般のオーナー代行業務を受託したのですが、そのきっかけを今回は少しばかり・・・・。
◎管理受託の経緯は・・・・
「2階の店舗がどうやら無断で転貸をしているようだ。」との相談からでした。
◎概要は・・・・
オーナー様と借主G社と賃貸借契約(G社がP社へ転貸借することを認める契約でした)を結んでいたのですが、実際に営業していたP社は事業悪化のためR社へ(結果として)無断転貸を行っていました。勿論、店舗名称や看板はそのままでしたが、実際に営業しているスタッフが全て入れ替わり、どうも様子が変だということでした。そうこうしている内に、借主G社からオーナー様との店舗賃貸借契約を解約したいと言う旨の解約予告が出たので、2階のテナントの引渡し状況について実際に営業しているP社へ連絡したところ、どうも歯切れが悪い・・・。
オーナー様は店舗のスタッフが総入れ替えしているので、何か変だと気づいたようでしたが、実際にこれが無断転貸借という確信を得たのは、、P社の社長と担当役員と私が話しをした時でした。
私   :「社長!無断で転貸しているとしか考えられないのですが?」
P社社長:「いえ…いえ…あのその…事業を譲渡したものですから…あの…」
と歯切れが悪いことなんのって…。
聞けば、P社は最近業績が悪いので、G社に相談して今後の事業建て直しを図るための資金として、保証金3,500万の返還を目的として解約をしようとしたとのことで、それならばG社も賃借人でいることもないので解約をしようということになったらしいのですが、G社の知らないところでP社は既に数ヶ月前よりR社に無断で転貸していたと言う全貌が見えてきました。
しかし、R社はP社からオーナー様も承諾していると聞いていたとのことで、R社はそれに応じない(納得出来ない) ということのようです。

もともと大手のG社が賃借人であり、転貸借ということでP社が営業をするという内容の賃貸借契約を締結していましたが、P社がR社への無断転貸を行っていたという図式になりました。

★取り組み
<その後3ヶ月の月日を掛けて>
オーナー様も弁護士に依頼することを一時は検討しましたが、それはかなりの時間と多額の費用を要すると予測されたので、賃借人G社の弁護士(2名)と転借人P社の弁護士(4人)とR社の弁護士(2人) と私との度重なる話し合いにより、何とかオーナー様とR社との賃貸借契約を直接締結させることに導くことで解決しました。オーナー様はG社へ保証金を返還することになりましたが、新賃借人R社との契約を締結することで、金銭的な部分も無事に解決しました。

 

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