CASE 31 それは1本の電話から・・・(PART2)

事例編 ケース31
◎キーワード:入居者からの連絡で難を逃れる・・・
どうも賃料の支払いが芳しくない入居者が多い時代となりました。
必ずしも悪質(悪意)ではないのでしょうが、だらしないと言うのか、それともお金が無い(足りない・使ってしまう)のか、約定だと翌月分前月払いの「前払い」だと言うのに、当月分を10日から15日に振込むという入居者も出て来ました。この程度の遅れでは私の出番はまだありませんが、当社の社員がこまめに対応(℡)をすることになります。
今回は 『当社の社員』と『賃料支払いが遅れ気味の・・・それでも何とか一生懸命支払っていこうとしている気持ちが分かる入居者Kさん』とのやり取りから発覚したのでした。入居者Kさんは、少しだらしないところもあるのですが、人懐っこいところのある憎めない男性です。彼は、当社に度々℡をしてきては、自分の(財布の中身の)現状を話すのと同時に、賃貸物件の状況についても教えてくれました。共用部分の電気が切れている・・・粗大ゴミのシールが貼られていないゴミが出ている・・・と知らされ、それはそれで私達も助かることがありました。
そんなある日のこと・・・
“(前段省略)・・・分かりました。本当にいつもスイマセン・・・15日には必ず振込みます。ところで・・・昨日から隣室のあの人見ないけれど・・・どうしたのですか?”
これが入居者Kさんの発した言葉でした。
Kさんとその隣室のYさん(40歳)も賃料支払いがやや遅れ気味なので このKさんへの賃料督促の℡の後にYさんへも℡をしようと 当社の担当者は考えていたようです。
当社の担当者は、いつものようにYさんの携帯電話へ℡をしましたが、中々繋がらない・・・どうやら隣室の入居者Kさんは、昨日の夜から何とはなしに気配が感じられないということで当社の担当者に聞いてきたようです。
そもそもこのYさん・・・深夜に毎日のようにお酒を飲んで騒ぐので隣室や上下階の住人から クレームとなったこともあったので、余りに静かであったことに入居者Kさんは不思議に思ったようです。
以前に他の物件(CASE30参照)ですが、新聞配達の方の通報で大事に至らなかったケースもあったので、当社の社員は連帯保証人さんである母親に賃料支払いが遅れている件と併せて、最近 Yさん(息子さん)と連絡を取ったかどうかの確認をしました。
母親と言うのは やはり鋭いものです。きっと何かを感じ取ったのでしょうか・・・母親はYさんの兄である長男へ連絡を取って、とにかく当物件のYさんの部屋へこれから一緒に急いで見に行く!とのことでした。
・・・その1時間後・・・
Yさんの兄(長男さん)から当社へ℡がありました。
“早く連絡してくれてありがとうございました・・・母と私が到着した時に弟は意識朦朧とした状態だったので、病院へ緊急搬送しました。ご迷惑をお掛けしました。”
その後どうなったのだろうか???・・・そろそろ連絡が来るかなぁ~と思っていたのですが、5日後 長男さんから℡があり、弟のYさんはその日の朝 病院で亡くなった旨の連絡がありました。
しかし 当社の担当者にしてみれば、もう少し早く母親に連絡していたら・・・という後悔も残ったのは事実です。
しかし  Yさんの母親からも長男さんからも、“早く連絡をくれて良かった・・・あのまま何日も経ってしまっていたら、皆様にご迷惑を掛けて大変な事態になっていたことでしょう・・・本当にありがとうございました・・・。”と言ってくれたことがせめてもの救いでした。
今回は、賃料の遅れ気味のKさんと当社の連携?!(賃料督促だけでなく、いろいろな話が出来る状況であったこと)で大事にならなくて済んだのだと思います。
“やっぱり口座振替にしないほうがイイんですかねぇ~。自分で振込みに行くことの方が、何か繋がりがあるようで正解かなぁ・・・。”と社員がポツリ。“もっと入居者と話を密にしていかなきゃなぁ・・・”とまたポツリ。
しかし・・・部屋の中は汚かった・・・もう少し綺麗に住んで欲しかったというのは後日の話です。母親も長男さんも当社へ謝りしかりでした。(勿論、未納賃料と原状回復費用はキチンとお支払い頂きました。)
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