CASE 21 東京23区内とは明らかに違う…東京近郊でのビル事情。

業務事例 ケース21
何とか運用率を上げなければ・・・・いやそれよりも保ちたいというのが本音か。
◎キーワード:「満室経営を唱える前に、従来の事柄の一つ一つの見直しが必要」

★背景・状況
当社では東京近郊の物件の管理受託もしています。
今回のお話しのオーナー様は、祖父の代から継承したテナントビルを保有しています。この相談を受けた時には36室の内、近年の経済状況から既に空室率が30%を超えていました。
★取り組み
オーナー様と管理契約を締結後、まず当社では今迄の不動産業者の情報公開状況を調査。調べてみると、街の不動産会社特有の地元の来店客のみを対象としている業者だったこともあり、広域に渡っての情報公開についてはほとんどされていないことが分かりました。これでは成約出来るはずはありません。
何で空室率が30%を超える迄そのような状況にしていたかは理解に苦しむところでしたが、仲介中心の不動産会社なので仕方ないかもしれません。余談ですが、ある一棟の賃貸マンションを他の管理会社から当社に管理移行した時に、以前にその物件を管理していた不動産管理会社の取締役が、「別にハートフルさんに管理移行することは構わないですよ。もともとこの物件が決まらなくても私達は腹が痛まないからね。」と言っていたことに当社の社員はかなり怒っていたことがありました。運用率を上げることを一番に考えなければならない管理会社の取締役がその程度なのに、仲介中心の街の不動産会社にそこまで求めても仕方ないのかもしれませんね。

さて、オーナー様との何回かの打合せの後、当社から方向性を打ち出しました。

特にポイントになるのは次の2点…
◎いかに情報を広域に公開させるか。
◎いかに不動産仲介会社(特にテナント物件に力を入れている不動産仲介会社)にこの物件を紹介してもらえるような関係を構築するか。


ここからはハートフルレントの腕の見せ所です。但し全ての空室を一斉に募集をすることは、テナント探しをしているお客様に「これだけ空室があるということは何かあるのか???」という不信感を持たせることになりかねないので、募集においてはいくつかに分けてスタート。また特別キャンペーンと銘打って、当初は大きく減額した条件でまずは空室率を減らすことを第一優先に営業をスタートさせたのです。同時に今迄全てお任せ状態だった建物メンテナンスのコスト見直しを開始。平日は管理員(清掃員)常駐ということもあって現在のメンテナンス費用は確かにやや高めです。
しかし、仕事の質が良い建物メンテナンス会社だったので、(一度に大幅にコストが下がらなくても)いきなり建物メンテナンス会社を変更するということにはしないで、当面は満室になる迄はこの建物メンテナンス会社で継続していこう・・・・・ということも方向性として決めました。(理由は賃貸運用管理会社も変わり、建物メンテナンス会社も変更することで常駐している管理員(清掃員)も変わったりしたら、現在賃借しているテナントが不安に思ったりしてマイナス効果が出ることも予想されたこと。また建物メンテナンス会社からそれまでの修繕実績等を聞き取りする必要もあったからです。

そして、本番開始。「収入増加」と「支出減少」という両面からのスタートです。この建物メンテナンスの支出についても、一つ一つを数千円程度の見直しをして価格を下げることで、結果としてかなりの金額を下げることが出来ました。また、古くなってきたエアコン故障による交換を当面は補修で凌げるものは凌ぎ、どうしても交換が必要な時でも、今迄の交換価格を聞けば、どう考えても高すぎる!?ので、約3分の2程度の価格に引き下げられる業者の選定。一つ一つ価格の見直しを段階的に実施しました。現在も、「収入増加」と「支出減少」の両面からの取り組みを実施継続中です。

★流れ

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